アース
先日、映画「アース」を観ました。

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映画として見るなら、うーん・・・って思うところがあった。
(以下一応ネタバレ含む、と言えるかもしれないので、取っておきたい人は見ない方がいいかも知れません。ただ、この映画は文字で内容を知っていても観てなんぼな映画なので、あまり気にすることもないんじゃないか、というのが個人的な意見。)
一つは、構成。
後半は一つの場面がストーリーとして見れる程度の長さがあったのでよかったが、前半は細切れに場面が飛びすぎてわかりにくかった。
1度しか観ていないのでわからない部分も確かにあるとは思うが、熱帯雨林の鳥達の場面が話の流れの中では浮いていた気がする。
北極から南極へ、という流れで見ているから、どうしても色々な動物、色々な地域、色々な場面にスポットが当たって細切れになってしまうのはわかるが、もう少し視点を絞った方が観やすかったかな、という気はする。
地球の生命というのはそれだけ大きく複雑なもので、2時間程度で全てを見せるのは無理がある、と言う事もできるかも。
また、象やホッキョクグマのように全体を通して継続的に追いかけているものと、鳥達のようにその場面でしか出てこない通行人的な視点で見ているものがごっちゃになっていたのが、見づらさを感じた一因だと思う。
つまり、ホッキョクグマが北極から南極まで旅するわけじゃないので、ホッキョクグマを見せるということはその時は場面が北極に戻っちゃうわけです。
映画の「北極→南極」という流れから外れるわけで。
もう一つは、肝心なところがフレームアウトする、という撮り方。
これは、大事なところをあえて見せないことで想像させる、という意図が見えるようにも思えるので、観る人によって賛否両論かと思う。
肝心なところ、というのは、例えば草食動物が肉食動物に追いかけられて、捕まる。
その捕まる瞬間が画面の外、或いは、ホントに捕まった瞬間までしか映らない。
その後の本当の弱肉強食の世界・・・捕まった動物は殺されて、血を出して食べられて、肉食動物の糧になるのだという、その部分が出てこない。ほぼ全くと言っていいくらい。
これは本当に好みや価値観の話になると思うが、私個人的には、そこまで見せて欲しかった。
中途半端、という印象が残った。
ただ、ここまで言った感想は、あくまで「映画として見るなら」ということを言っておきたい。
人間がどう撮ろうと、そこに映っている動物達のドラマは、演技ではない、紛れもない真実の姿だから。
そこに良し悪しをつけることなんてできない。
私たち人間は、環境を自分の都合のいいように変えられる。
環境そのものを変えられなくても、知能と道具を使って、自分たちに快適な空間を作り出すことができる。
私たちは音楽を聴いたり、遊んだり、生きるのには直接必要のない色々なことをして楽しむことができる。
しかし、彼らは過酷な環境の下で体一つで生き、生きるためだけに何十何百キロもの道をひたすら歩き続ける。
太陽のない夜の世界を、何もない広大な砂漠を、ひたすら歩き続ける。
身の回りに溢れている「環境のために」というキャッチフレーズは、大半が「人間のために」と言い換えることができる。
確かに他の生き物のため、というのもゼロではないかも知れない。けれど、中心は人間のためである。
森林がなくなったら、地球温暖化が進んだら、結局困るのは人間だ。
本当に他の生き物のためになるのは、人間が今すぐいなくなるか、道具やそれを操る知能を棄てることだ。
大学の友人は「環境がビジネス用語にしか聞こえない」と言う。
環境に取り組む会議に参加しても、上の人間の話の要点は「どうやったら環境省からお金が下りるか」だけで、環境を純粋に考える人間はショックを受けるのだという。
確かにそうかも知れない。
結局、どんなにキレイなことを言っていても、結局一番の目的は自分達が長く生きていくために環境を考えているに過ぎないのかも知れない。
環境からそのことを切り離すことは、確かにできないのかもしれない。
だけど、それだけじゃないと信じたい。
宇宙が億単位の長い年月をかけて生み出した地球、そこに住む生き物、美しい環境、それをたった数千年、数百年、数十年で変えてしまっていいのか、滅ぼしてしまっていいのか。
人間が創ったものではないものを、人間を創ったこの地球を、人間の手で壊してしまっていいのか。
いいはずがない。
そう思う人たちが、まだたくさんいると信じたい。
- [2008/02/17 14:43]
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