2014-07-14(Mon)
しんと静まりかえった心の中のいちばん深い場所で、
たしかに、それは起こった。
生きること、死ぬこと、そして眠ること―
一九九五年二月、あの地震のあとで、まったく関係のない六人の身の上にどんなことが起こったか?
連載『地震のあとで』五篇に書下ろし一篇を加えた著者初の連作小説。
(単行本帯より)
何度も読んでは挫折してきた、村上作品。
今回は、如何に。
・・・やはり、私には合わないかも知れません;
哲学的、抽象的、特徴的な言葉の使い方が多いせいか、
どうしても頭の中にすんなり話が流れ込んでこない。
読後に、なんだろうこれは・・・という、言葉にできないもやもやした感情が残る。
これも、いつもの通り。
その答えを探そうとして、ネットなどで他の人の書評を読み漁ったりして、
あぁ、こういうことなのかも知れない、こういう解釈があるのか、と気づかされる。
けれど、それでは本末転倒なのではないか、と思ったりもする。
読もうとして読み込む、いわゆる「深読み」は好きではない。
殊に村上作品は、私にとってはやはり色や空気を「感じる」タイプの作品であって、
この言葉や場面は何を表しているんだろう、云々と考えることは、私にとってはよくないのだと思う。
今回、最初の「UFO~」「アイロン~」は、本当に作品に入るのに苦労した。
この先を読もうか読むまいか、本当に悩んだくらい。
けれど、結果としては、読み進めて正解だった。
読み進めるにつれて、好きな作品が増えていったからだ。
後半三篇、特に「タイランド」は、心に触れる作品だった。
生と死と、北極熊と人間と。
北極熊の話は、特に印象的だった。
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