*All archives* |  *Admin*

2016/05
≪04  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   06≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
倒錯した世界の中の愛。 『ミシン』
『ミシン』  嶽本 野ばら ★☆☆☆☆



あまりに切なくて、気持ちが引き裂かれそうになる、そんな恋愛小説ができました。
誰もが一度は、こんな恋をしたいと思ったはずなのです。でも誰もが、きっとこんなに純粋ではいられなかったのです。
この本は、喪われた少女性を愛してやまない一人の作家が、一行一行を懸命につむいだ最高の恋物語を収めています。
本書を読んだ吉本ばななさんは、こんなコメントを下さいました。「この小説は私を泣かせた。文がずばぬけてうまいから? あの時代のたまらなかった気持ちを思い起こさせたから? いや、それだけではない。ここに出てくる主人公たちの高潔な人格が、この汚れた時代を生きていく、ただそれだけで涙を誘うのだ。野ばらちゃん、最高!」
どうかご一読下さい。(Amazon 内容紹介より)







うーん、、、ごめんなさい、無理でした;
どことなく倒錯した世界観、マニアックなアイテムや薀蓄、そして中二病的な登場人物たち…。
どうもこの人の作風らしいが、予備知識なしで読んでしまったので、単純に合わなかった。
数は少なかったもののレビューの評価が高かったので、「感動」というレビューにも惹かれて何となく購入してみたが、ダメだった;おそらく高評価なのは、この人の作風を理解して読んでいる人が大半だからなのだろう。かなり人を選ぶタイプの作風であることには間違いない。



作品の中身について。
「世界の終わりという名の雑貨店」これは、純愛と言えるのか?感動したって言うレビューもあったけれど、病院で主人公の男と少女が…というシーンには、冷めた。途中まではよまぁまぁかったのに。どこぞのA(自主規制)だと。申し訳ないが、一言で言うとロリコンの妄想にしか思えなかった。つまり、リアリティがない。とはいえ、そもそもこの作風にリアリティを求めるかどうかは個人の好みの問題なのだろうが…。
「ミシン」は、中二病全開で、正直ドン引きに近かった。収穫があったとすれば、「エス」についてくらいか。この点だけは共感できるものがあった。

全体を通して全く合わなかった本作だが、唯一理解できたのは、ファッション=アイデンティティであるという、その一点。積読中の「てつがくを着て、まちを歩こう」にもあるが、服装というのは単なる自己表現ではなく、自分自身の尊厳と結びついている、という考えは、自分自身の思いと通じるところがある。
その一点で、今回レビューを書くことにした。







==============

書物は友人と同様、数少なくあるべきであり、そしてよく選択されるべきである。(トーマス・フラー)






今まで読んだ本の記録→本棚
レビューの記録だけでなく、引用も記録できるので、重宝しています。
引用だけをまとめて見ることもできるので、時々、まとめて読んでいます。

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ

にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

tag : 嶽本野ばら ミシン

人は、誰しも心に虎を飼っている。 『李陵・山月記』
『李陵・山月記』  中島 敦 ★★★☆☆



中島敦は、幼時よりの漢学の教養と広範な読書から得た独自な近代的憂愁を加味して、知識人の宿命、孤独を唱えた作家で、三十三歳で歿した。
彼の不幸な作家生活は太平洋戦争のさなかに重なり、疑惑と恐怖に陥った自我は、古伝説や歴史に人間関係の諸相を物語化しつつ、異常な緊張感をもって芸術の高貴性を現出させた。
本書は中国の古典に取材した表題作ほか『名人伝』『弟子』を収録。(裏表紙より)







恐らく高校のころに授業で読んだ『山月記』がとても印象に残っていて、手に取った。

本書には4篇の作品が収められているが、いずれも中国の古典を題材としていることもあり、言葉が難しい。その分、注釈は充実しているのだが(注釈だけでなんと50ページある!)、巻末と本文を何度も行き来しなければならない。ストーリーにドラマ性のある『山月記』と『李陵』、寓話的な『名人伝』は比較的読みやすかったが、問答が中心となる(もちろんこれがあってこそ子路の最期が劇的になるのだが)『弟子』はかなり読むのに難儀した。



『山月記』は、人間・李徴が虎になってしまう、一言で言うと変身譚だ。
変身譚と言えば、カフカの『変身』が真っ先に浮かぶ。主人公・グレーゴルが朝目覚めると虫になっていた、という、あの有名な話である。どちらも、方向性は違うが残酷な結末であるという点では似ている。しかし、大きな違いの一つは、グレーゴルは自分が虫になったことを不思議にも思わずに受け入れており、逆に周囲の人が彼を拒絶するのに対し、李徴は自分が虎になったことに悶え苦しんでいる点だ。
また、グレーゴルが虫になった理由は何一つ触れられていないのに対し、李徴の場合は、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」が自身を虎に変えたのだと述べている。この点が、私にとっては大きな魅力となっている。
カフカの『変身』を読んだ時には、「理不尽」という言葉しか思い浮かばなかった。だからこそ、周囲の人々の彼に対する反応にばかり目がいっていた。しかし、人間時代のグレーゴルがどんな人間であったかが垣間見える記述はわずかしかない。実際に彼の外見を虫に変えたものが彼の内面にあったとしたら、グレーゴルは死ぬまでそれに気付かなかったとも言える。
それに対し、李徴の場合は、人間時代の自分の心の中に「猛獣」がいて、それは最終的に人を人たらしめる何かを壊してしまうのだと気付いている。(気付いて、どれだけ悔いたところで結局人間には戻れないというのが、『変身』とは違った意味で「理不尽」ではあるのだが…)そして、「人間は誰でも猛獣使で」あるとも述べられている。この点で、『山月記』は人間存在の根本を問う物語であって、読みながら、誰もが自分の心の中の猛獣を自覚せずにはいられない。

特に『李陵』や『名人伝』は、読みながら物事を極めるとはどういうことか、誠を尽くし義を貫くとはどういうことか、礼儀とは何か、職責とは何か、など、生き方という点で多くを考えさせられた。
(個人的に、匈奴の単于が、「漢人の言う礼儀とは醜いことを表面だけ美しく飾り立てる虚飾ではないか」(p138)、と言っていたのが、大変痛快だった。美や礼といった物事に関しては、世の中はこのような人間で溢れているから。)
しかし、それはきっと私自身が普段からそのようなことを考えているからであり、誰もが感じることかといえば違うように思う。その点で、読む人すべての心の奥深くを抉る『山月記』には及ばない。

思春期に読んだこともあって色眼鏡もあるだろうが、やはり『山月記』が一番鋭く輝くものをもっているように思う。逆に言えば、それ以上の輝きをもつ作品に出逢うことを期待して本書を手に取ったので、残念でもあった。







==============

一冊の本を讀んで、他の本を讀まうといふ欲望を起こさせないやうな本は、善い本ではない。
かくしておのづから讀書に系統が出來てくる。讀書が系統化し始めるに至つて、ひとは眞に讀書し始めたといふことができる。
そのとき、あの一冊の本を開いたことは自分の心を開いたことであつたのである。
今や讀書の歴史は自分の生長の歴史になる。そのやうな書物においては、或ひは一年を隔てて、或ひは十年を隔てて、幾度となく、種々様々の機會に、我々はそれに還つてくるであらう。
そして我々はその邂逅が偶然でなつたことを信じるに至るのである。(三木清『読書論』)







今まで読んだ本の記録→本棚
レビューの記録だけでなく、引用も記録できるので、重宝しています。
引用だけをまとめて見ることもできるので、時々、まとめて読んでいます。

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ

にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

tag : 新潮 李陵 山月記 中島敦 教科書 国語

対話が織りなす、愛の物語? 『対話篇』
『対話篇』  金城 一紀 ★★☆☆☆



本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうから――。
最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。
愛する者を失い、孤独に沈む者たちが語る切なくも希望に満ちたストーリーたち。
真摯な対話を通して見出されてゆく真実の言葉の数々を描いた傑作中編集。(裏表紙より)







3作品が収録されていたが、どれもイマイチだった。
短編集・中編集にはよくあるパターンだが、登場人物や場面やアイテムが使いまわされている。が、この中編集では、共通していることが作品に特に意味をもたらしているとは思えない。

そして、現代小説を読む時にやっぱり気になってしまう会話文。(こればかりは慣れようと思ってもどうにもならないんだよなぁ・・・)
やたら文語調だったり、作為的な比喩が目についたり、(本作に限ったことではないが)「~かい?」という日常会話では絶対に使わない語尾などがどうしても気になってしまう。
芸術性を追求するなら、例えば村上春樹みたいに、会話文から地の文まで徹底的に表現を磨きあげた(文語調?の)モノであって欲しいし、そうでなくて、ストーリー性や場面設定で日常生活と近いリアリティを追求するなら、会話文で興醒めさせないで欲しい。
中途半端なのが一番モヤモヤする。特に、地の文は俗世間的で、会話だけ妙に文語調というパターン。
内容も、「真摯な対話」とあるが、うーん、そうかぁ?という印象。少なくとも「真摯」という言葉は合わない。

話の内容自体は、他の人が言うように綺麗だ。「いい話」と言えばいい話。
が、綺麗なだけで、スルスルと入ってくるのだけど、同じようにスルスルと頭から出ていってしまい、内容も割とありきたりなので、余計に残らない。
レビューの評価が高かったので読んでみたが、私には合わないようだ。(タイトルに?がついているのは、個人的な感情です。ゴメンナサイ)







==============

言葉が足りないのは本を読まないから。美しい言葉に触れ素敵な表現を自分の中にストックする。意思の疎通は言葉ありき。(美輪明宏)






今まで読んだ本の記録→本棚
レビューの記録だけでなく、引用も記録できるので、重宝しています。
引用だけをまとめて見ることもできるので、時々、まとめて読んでいます。

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ

にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

tag : 新潮 金城一紀

なんとなく一言
管理人

映(えい)

  • Author:映(えい)
  • マイペース更新。

    ラーメンを食べながら、時々本を読む社会人。
    心を揺さぶる本、価値観を変えてくれる本、爽やかさとともに苦さや切なさを感じさせる本、表現が美しい本、静かな感動を起こしてくれる本、心の奥深くに沁みる本、重さの中にも透徹した雰囲気を持つ本、知的好奇心をくすぐってくれる本、が好きです。


    おもしろそうなのがあったので始めてみた→コトノハ



    【お知らせ】
    PCのお気に入りに登録していたブログをサイドバーのリンクリストに移してます。
    あくまで自分のお気に入り的な感覚なので、「リンクする場合はご一報ください」などの断り書きのないブログさんは特に報告をしていません。
    被リンクを拒否したい方はお手数ですがコメントください。

    本ブログはもちろんリンクフリーです。
    (商用・アダルト・掲示板ログ的なブログを除く)








    ↓カウンター↓




    ↓ランキング参加中。気が向いたら応援よろしくお願いします。↓
    にほんブログ村 その他日記ブログへ
    にほんブログ村
    にほんブログ村 本ブログへ
    にほんブログ村
    ランキングバナー

    ↓新たなブログとの出逢いに。↓
    BlogPeopleガチャガチャブログ
カレンダー
04 | 2016/05 | 06
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ

2017年 10月 【1件】
2017年 09月 【1件】
2017年 07月 【1件】
2017年 06月 【1件】
2017年 05月 【2件】
2017年 04月 【3件】
2017年 03月 【1件】
2017年 02月 【1件】
2017年 01月 【1件】
2016年 12月 【1件】
2016年 10月 【2件】
2016年 09月 【1件】
2016年 08月 【3件】
2016年 06月 【1件】
2016年 05月 【3件】
2016年 03月 【3件】
2016年 02月 【1件】
2016年 01月 【2件】
2015年 12月 【3件】
2015年 11月 【2件】
2015年 10月 【2件】
2015年 09月 【4件】
2015年 08月 【4件】
2015年 07月 【2件】
2015年 06月 【4件】
2015年 05月 【2件】
2015年 04月 【2件】
2015年 03月 【2件】
2015年 02月 【3件】
2014年 10月 【1件】
2014年 08月 【1件】
2014年 07月 【2件】
2014年 06月 【1件】
2014年 04月 【1件】
2014年 02月 【3件】
2013年 12月 【1件】
2013年 08月 【3件】
2013年 05月 【1件】
2013年 03月 【2件】
2012年 12月 【1件】
2012年 03月 【1件】
2011年 11月 【1件】
2011年 09月 【2件】
2011年 05月 【2件】
2011年 04月 【4件】
2011年 02月 【4件】
2011年 01月 【9件】
2010年 11月 【2件】
2010年 10月 【4件】
2010年 09月 【5件】
2010年 08月 【1件】
2010年 07月 【3件】
2010年 06月 【1件】
2010年 05月 【2件】
2010年 04月 【2件】
2010年 03月 【7件】
2010年 02月 【4件】
2010年 01月 【4件】
2009年 12月 【2件】
2009年 11月 【6件】
2009年 10月 【4件】
2009年 09月 【3件】
2009年 08月 【6件】
2009年 07月 【9件】
2009年 06月 【7件】
2009年 05月 【8件】
2009年 04月 【5件】
2009年 03月 【9件】
2009年 02月 【13件】
2009年 01月 【10件】
2008年 12月 【7件】
2008年 11月 【7件】
2008年 10月 【4件】
2008年 09月 【6件】
2008年 08月 【7件】
2008年 07月 【5件】
2008年 06月 【7件】
2008年 05月 【11件】
2008年 04月 【14件】
2008年 03月 【17件】
2008年 02月 【24件】
2008年 01月 【10件】
2007年 12月 【10件】
2007年 11月 【11件】
2007年 10月 【13件】
2007年 09月 【11件】
2007年 08月 【21件】
2007年 07月 【9件】
2007年 06月 【4件】
2007年 05月 【7件】
2007年 04月 【2件】
2007年 03月 【8件】
2007年 02月 【3件】
2007年 01月 【4件】
2006年 12月 【1件】
2006年 11月 【3件】
2006年 10月 【3件】
2006年 07月 【2件】
2006年 06月 【7件】
2006年 05月 【16件】
2006年 04月 【8件】
2006年 03月 【6件】
2006年 02月 【4件】
2006年 01月 【4件】

カテゴリー
記事
コメント
トラックバック
検索フォーム
RSSリンク
御用達
倉庫



↓ダジャレ図鑑(笑)↓



リンク(サイト名マウスオンで説明表示~)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。