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君たちはどう生きるか
『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎



著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。
それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。
著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。
(表紙より)












少年コペル君の疑問に叔父さんが答えるという形で書かれている。

タイトルから考えると哲学的なイメージを持つが、読んでいくうちに、実際は表紙にもあるとおり「社会科学的認識」が切り離せない問題であることに気づく。



それが最も顕著に表れている章が、四章の「貧しき友」だと思う。

コペル君の級友に、浦川君という少年がいた。
浦川君の家は豆腐屋であり、級友の中では貧しい方で、その身なりや弁当の中身やらが原因で、いつもみんなにいじめられたり仲間外れにされたりしていた。
けれど浦川君はとても優しい少年であり、ふとしたきっかけでコペル君と仲良くなる。

ある時、浦川君がずっと学校を休んでいるのが気になり、コペル君は初めて浦川君の家を訪ねる。
そこで、一生懸命働いている浦川君を目にするのである。
お父さんがお金を工面しに行くために家を空けており、若い衆が風邪をひいてしまったため、浦川君が学校を休んで手伝わなくてはならなかったのだ。

コペル君は叔父さんに浦川君の家に行ったことを話す。
すると叔父さんは、コペル君にこんな質問をする。
君たちと浦川君では、どこが一番大きな違いだと思う?と。



浦川君の家は貧しい。
けれど、それは「家」の比較であって、「その人そのもの」の比較ではない。

人間の真の値打ちとはいったいどこにあるのか。

これは、とても大事な問題である。



そして、話はさらに貧困の問題、生産と消費の関係に広がってゆく。
単純に、よくありがちな人格に価値を求めるだけにとどまらない。

浦川君は生産する側であり、コペル君は消費する側である。
ここが大きな違いだと、叔父さんは言っている。

私たちが何気なく消費している、時には使い切らずに無造作に捨ててしまっているそのものを、生み出してくれる人がなければ、消費する側は何もできない。
そうすると、普段(おそらく貧しいがゆえに、と叔父さんは言いたいのだろう)見下されがちな人々の中に、いかに頭を下げなければならない人たちが多いことか。
そのことに気づくだろう、と。



私は、この章が一番印象に残っている。















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ジャンル : 本・雑誌

tag : 岩波 君たちはどう生きるか 吉野源三郎

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