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水の時計
『水の時計』 初野 晴 ★★★☆☆



医学的に脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。
生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた彼女が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった――。
透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。
第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
(裏表紙より)









有名な『幸福の王子』を土台にして書かれた作品。
あらすじに惹かれて読み始めたはいいが…。



読み始めは、なかなか先に進めなかった。
ストーリーのせいではない。文章のせいだ。
言葉の選び方が、端的に言うと作為的なように感じられたからだ。

もちろん、小説家が「意図的に」言葉を選び取るのは当たり前なのだが、それを読者に感じさせてしまったら終わりだろう。
比喩表現が不自然だったり(「○○のような」を使いすぎ)、状況描写が説明くさすぎたり。(具体的に一つ上げるとすれば、「イグニッションキー」なんて、車に特別興味のない一般人が日常的にはあまり使わない言葉だと思うのだが、そんなことないのか?)
あ、比喩使ったな。あ、今説明してるな。寄り(会話)ばっかだと状況がわからなくなるしな。
そういったところがあからさまで、気になりすぎてしまったのだ。



とは言え、中盤から徐々に作品に引き込まれ、言葉の違和感もあまり感じなくなった。
ストーリーのもつ力がそれなりに大きかったからだろう。
生とは何か。死とは何か。そういったテーマは私は好きだし、一見メルヘンな設定も、解説にあるような作者の「突き放した筆致」のせいか不思議と違和感を感じさせず、むしろそっとリアリティを添えている。

しかし、読後の率直な感想は、「うーん…」だった。
題材はよかったのに、いまいち消化しきれなかった感が残った。
例えば、心臓が結局残ったままだったことや、主人公・昴がもつバイクテクニックのとってつけたような意味、物語全体がごく短期間で進んでいること、昴と葉月の関係や登場人物の掘り下げの足りなさ(それゆえに、誰にも共感できない)など…。うーん。
けれど、これがミステリ大賞ということは、単に私の読み方がよくないのか?



余談だが、あらすじを読んだ印象と中身の食い違い(大体、主人公、葉月じゃなくて昴じゃん、っていう。)に対する違和感。
最近どっかであったなぁと思ったら、『夜市』でした。

ま た 角 川 か !

角川の紹介文は話半分くらいで見といた方がいいんかな…。
いつも疑問に思うのですが、紹介文って誰が作ってるんでしょうね。







==============

人生はすこぶる短く、静穏な時間はごく少ないから、我々は価値無き本を読んで時間を浪費すべきではない。(ジョン・ラスキン)






前の記事に拍手をいくつもいただいて、ありがとうございます。
小説でも話題作でもないですが、教育モノということで個人的には思い入れがあったので、
そういう記事に共感していただけるととても嬉しいです。



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tag : 角川 水の時計 初野晴

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