*All archives* |  *Admin*

2018/04
≪03  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30   05≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
教養とは視野を広げ、考えを深めるための“ツール”だ。 『人生を面白くする本物の教養』
『人生を面白くする本物の教養』  出口 治明 ★★★★☆



教養とは人生における面白いことを増やすためのツールであるとともに、グローバル化したビジネス社会を生き抜くための最強の武器である。その核になるのは、「広く、ある程度深い知識」と、腑に落ちるまでの考え抜く力。
そのような本物の教養はどうしたら身につけられるのか。
六十歳にして戦後初の独立系生保を開業した起業家であり、ビジネス界きっての教養人でもある著者が、読書・人との出会い・旅・語学・情報収集・思考法等々、知的生産の方法のすべてを明かす!
(裏表紙より)







この手の本は読みたいと思っても、言葉が難しかったり著者の意見と合わなかったりでなかなか読み進められないことが多いけれど、この本は文体もシンプルで、教養に対する基本的な考え方が一致していたこともあり、読みやすかった。新たな発見があったというよりは、自分の考え方や価値観を再認識した感じです。



「第1章 教養とは何か?」「第2章 日本のリーダー層は勉強が足りない」は、全編にわたってそうだそうだ、と頷く部分が多かった。
教養は、視野を広げ、自分の考えを深めるためのツールである。それが人生を面白くすることにつながる。
教養というと、日本の社会ではただ知識が多いだけの人がもてはやされたり、ビジネスに直結する経済や仕事のハウツーのような知識ばかりが重宝されがちだが、本物のリベラル・アーツとはそういった偏狭なものではないのだと声を大にして言いたい。
ただ、その大切さを言葉で説明するのは難しい。自分はそういったものがとても好きだけれど、それを人に説明することはなかなかできない。
そういう意味で、単に自分の人生(心)を豊かにするという側面からだけでなく、ビジネスにおける人との出会いと関わりという具体的な側面からも述べられていたのが、とてもよかった。実利主義のビジネスマンにも理解しやすいと思うからだ。

いろいろな人と公私で接する中で、単に気が合うとかではなく、本当に「面白い」と感じる(funnyではなくinterestingの意味で)人は、片手で数えるくらいしかいない。
頭の引き出しが多く、誰とでも話をすることができて、自分の世界を広げてくれる。そういう人にはなかなか出会えないものだ。
振り返ってみれば、歴史に名を残している人物は、大抵専門分野をいくつも持っている。たとえば、万有引力を発見したニュートンも、天文学(物理学)だけでなく、自然哲学、数学、物理学にも長けていたという。
今はどうか。学問が細分化・高度化する中で、学問の根幹というか、大局的な視点で学ぶ人がいなくなりつつあるのではないか。
現在生きている著名人だと、村上陽一郎氏や北野武氏、もっと身近なところでいうと林修氏(知識量ではなくスタンスとして)などが、私のイメージする真の教養人に近い。

また、本書を読む中で、日本の教育システムや学生の採用システム、社会保障制度やさまざまな社会問題について、少なからず矛盾や違和感を覚えていた部分を的確に指摘されており、具体的な海外の判例や提案も示されていて、勉強になった。



ただ、後半の海外の、特に中国の学生と日本の学生の比較になってくると、腑に落ちない部分が大きくなってきた。
読み進めるにつれて、その理由がわかってきた。
前半では、「グローバルリーダー層」に焦点を絞って話をしていたのが、後半になると「大学生」と一括りにしているからだ。けれど、その違和感は、自分が日本の「大学生」のイメージに縛られているからだろうとも思う。

改めて考えてみると、大学とはそもそも高等教育の場であるのだから、大なり小なりグローバル社会の中で多くの人と関わりながら生きていくことを目的に学んでいるはずだ。
しかし、大学は選ばなければ全入時代の今、本書の中でも書かれているように、実際にそのような志をもって学んでいる学生は、正直多くはない。
日本ではそれが当たり前だが、世界ではそうではない。そのことを意図せずに思い知らされた感もある。



通読して思ったことは、この本は基本的にはリーダー層に向けて書かれたものだということ。
もちろん、そうでない人にとっても役に立つ部分はたくさんある。
けれど、筆者が語りかけている相手は、やはりリーダー層なのだと感じずにはいられない。

世の中にはいろいろな人がいる。
英語がほとんどできなくてもノーベル賞をとった科学者もいる。
大学に行かなくても、一つの道を極めて、そこから生きる道を学んでいく、伝統芸能の職人やスポーツ選手のような人もいる。
中卒でも、ハングリー精神とコミュニケーション能力で一大事業を起こし、社長に上り詰める人もいる。
あるいは、近代文明とは無縁の、自分たちの見えている世界の中だけで暮らしている、未開の地の民族がいる。
ただし、世界を動かしていく人というのは、やはり限られた層なのだ。
知識や教養の量は、結局は機会と余裕(時間的、精神的、あるいは経済的)の有無に左右されるのだ。

日本は、世界的に見れば、物質的には恵まれており、教育の機会も均等に(長短はあるが)与えられている。
だからこそ、時代の変化とともに行き詰った今が、日本人にとって転換点なのかもしれない。





備忘録(興味をひかれた箇所)

P40 七つの分野からなるリベラルアーツ
P49 連合王国での初等教育
P57 教養とは、さまざまな相手を惹きつける人間的魅力につながる
P64 国語と数学で考える
P172 各国の社会保障支出と国民負担率
P184 フランスの少子化対策
P203 あくまでも歴史は一つである
P205 愛国心とナショナリズムは別物
P233 日本人の価値観や人生観は仕事に偏りすぎている







==============

読書の方法を知っている人はすべて、自分自身を拡大し、存在できる道を増やし、人生を有意義で、面白く、最大限に活かす力を持っている。(オルダス・ハクスレ)




今まで読んだ本の記録→本棚
レビューの記録だけでなく、引用も記録できるので、重宝しています。
引用だけをまとめて見ることもできるので、時々、まとめて読んでいます。
本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ

興味のあるジャンルの本にもっと出会うべく、こちらも始めてみました。


にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

tag : 教養 出口治明 ビジネス 社会人

Secret
(非公開コメント受付中)

なんとなく一言
管理人

映(えい)

  • Author:映(えい)
  • マイペース更新。

    ラーメンを食べながら、時々本を読む社会人。
    心を揺さぶる本、価値観を変えてくれる本、爽やかさとともに苦さや切なさを感じさせる本、表現が美しい本、静かな感動を起こしてくれる本、心の奥深くに沁みる本、重さの中にも透徹した雰囲気を持つ本、知的好奇心をくすぐってくれる本、が好きです。


    おもしろそうなのがあったので始めてみた→コトノハ



    【お知らせ】
    PCのお気に入りに登録していたブログをサイドバーのリンクリストに移してます。
    あくまで自分のお気に入り的な感覚なので、「リンクする場合はご一報ください」などの断り書きのないブログさんは特に報告をしていません。
    被リンクを拒否したい方はお手数ですがコメントください。

    本ブログはもちろんリンクフリーです。
    (商用・アダルト・掲示板ログ的なブログを除く)








    ↓カウンター↓




    ↓ランキング参加中。気が向いたら応援よろしくお願いします。↓
    にほんブログ村 その他日記ブログへ
    にほんブログ村
    にほんブログ村 本ブログへ
    にほんブログ村
    ランキングバナー

    ↓新たなブログとの出逢いに。↓
    BlogPeopleガチャガチャブログ
カレンダー
03 | 2018/04 | 05
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
月別アーカイブ

2018年 02月 【1件】
2018年 01月 【1件】
2017年 12月 【1件】
2017年 10月 【1件】
2017年 09月 【1件】
2017年 07月 【1件】
2017年 06月 【1件】
2017年 05月 【2件】
2017年 04月 【3件】
2017年 03月 【1件】
2017年 02月 【1件】
2017年 01月 【1件】
2016年 12月 【1件】
2016年 10月 【2件】
2016年 09月 【1件】
2016年 08月 【3件】
2016年 06月 【1件】
2016年 05月 【3件】
2016年 03月 【3件】
2016年 02月 【1件】
2016年 01月 【2件】
2015年 12月 【3件】
2015年 11月 【2件】
2015年 10月 【2件】
2015年 09月 【4件】
2015年 08月 【4件】
2015年 07月 【2件】
2015年 06月 【4件】
2015年 05月 【2件】
2015年 04月 【2件】
2015年 03月 【2件】
2015年 02月 【3件】
2014年 10月 【1件】
2014年 08月 【1件】
2014年 07月 【2件】
2014年 06月 【1件】
2014年 04月 【1件】
2014年 02月 【3件】
2013年 12月 【1件】
2013年 08月 【3件】
2013年 05月 【1件】
2013年 03月 【2件】
2012年 12月 【1件】
2012年 03月 【1件】
2011年 11月 【1件】
2011年 09月 【2件】
2011年 05月 【2件】
2011年 04月 【4件】
2011年 02月 【4件】
2011年 01月 【9件】
2010年 11月 【2件】
2010年 10月 【4件】
2010年 09月 【5件】
2010年 08月 【1件】
2010年 07月 【3件】
2010年 06月 【1件】
2010年 05月 【2件】
2010年 04月 【2件】
2010年 03月 【7件】
2010年 02月 【4件】
2010年 01月 【4件】
2009年 12月 【2件】
2009年 11月 【6件】
2009年 10月 【4件】
2009年 09月 【3件】
2009年 08月 【6件】
2009年 07月 【9件】
2009年 06月 【7件】
2009年 05月 【8件】
2009年 04月 【5件】
2009年 03月 【9件】
2009年 02月 【13件】
2009年 01月 【10件】
2008年 12月 【7件】
2008年 11月 【7件】
2008年 10月 【4件】
2008年 09月 【6件】
2008年 08月 【7件】
2008年 07月 【5件】
2008年 06月 【7件】
2008年 05月 【11件】
2008年 04月 【14件】
2008年 03月 【17件】
2008年 02月 【24件】
2008年 01月 【10件】
2007年 12月 【10件】
2007年 11月 【11件】
2007年 10月 【13件】
2007年 09月 【11件】
2007年 08月 【21件】
2007年 07月 【9件】
2007年 06月 【4件】
2007年 05月 【7件】
2007年 04月 【2件】
2007年 03月 【8件】
2007年 02月 【3件】
2007年 01月 【4件】
2006年 12月 【1件】
2006年 11月 【3件】
2006年 10月 【3件】
2006年 07月 【2件】
2006年 06月 【7件】
2006年 05月 【16件】
2006年 04月 【8件】
2006年 03月 【6件】
2006年 02月 【4件】
2006年 01月 【4件】

カテゴリー
記事
コメント
トラックバック
検索フォーム
RSSリンク
御用達
倉庫



↓ダジャレ図鑑(笑)↓



リンク(サイト名マウスオンで説明表示~)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。